· 

うつ病

うつ病

◎うつ病とは

脳のエネルギーが欠乏した状態です。そのため、憂鬱な気分や意欲(食欲、睡眠欲など)が低下している心理状態が続きます。さらに、身体的な自覚症状を伴うこともあります。

◎原因

*うつ病を引き起こす原因は一つではありません。とても辛い出来事が発症のきっかけになることが多いですが、それ以前にいくつかの事が重なっていることもあります。発症する前の生活の中で起こる様々な要因が複雑に結びついてうつ病が起こります。

*「環境要因」が最もきっかけとなりやすく、例えば、大切な人(家族や親しい人)の死や離別、大切なものを失う(仕事や財産、健康など)、人間関係のトラブル、家庭内のトラブル、職場や家庭での役割の変化(昇格、降格、結婚、妊娠など)などが発症要因となります。

*「性格傾向」も発症要因になります。義務感が強く、仕事熱心、完璧主義、几帳面、凝り性、いつも他人への配慮を重視して関係を保とうとする性格の人は、脳のエネルギーの放出が多く、脳のエネルギーが欠乏しやすい状態です。努力が実って成果のあるうちはエネルギーが回復しますが、成果が得られない状況が続いたり、エネルギー放出状態が続けば、うつ病の発症の危険性が高まります。

*「遺伝的要因」や「慢性的な身体疾患」も発症要因になります。

*上記のようなとき、脳の中では、人の感情に関する情報の伝達にトラブルが生じて、うつ病の状態になっていると考えられています。

◎うつ病の前兆状態~うつ病の主要な症状である「憂うつ感」の特徴~

1.楽しみや喜びを感じない➡通常なら楽しいとかうれしいと思う事が、感じなくなります。何をしていても憂うつな気分です。

2.何か良い事が起きていても気分が晴れない➡きっかけとなった出来事や要因が解決したり、自分にとって良い事が起きても、気分の晴れない状態が続きます。

3.趣味や好きな事が楽しめない➡健康な状態のときには、いやな気分でも大好きな趣味をとおしてリフレッシュしたりしますが、うつ病状態のときには、趣味を楽しめないどころか、疲労感ばかりが増します。

*うつ病は、このような状態が2週間以上続いていることをいいます。早い時点で自覚できれば、発症を未然に防げる可能性もありますが、実際はなかなか自覚しにくいものです。

*自覚しやすい症状もあり、”食べること”と”睡眠”です。疲れているのに食べられなかったり、眠れないと、エネルギーを補給できず、自然治癒力が減少して不健康な状態になります。

*眠れない症状とは、寝つきに30分以上かかる、途中で何度も目が覚める、朝やたら早く目が覚める、熟睡感がなくなるです。こんな症状に気が付いたら、例えば、仕事のやり方を見直す、就寝前4時間のカフェイン接種を避けたり、ブルーライトのでるパソコンやスマホは見ない、ぬるめのお湯での入浴や静かな音楽などでリラックスする、朝に目覚めたら日光を取り入れる、趣味など自分のための時間を確保する、休日の過ごし方を工夫するなどがあります。

◎うつ病の治療

「休養」、「薬物療法」、「精神療法・カウンセリング」の三つがメインです。

◎うつ病から回復したら

*うつ病は治療がすぐに終わるというものではありません。治癒していく過程にはある程度の期間が必要になります。治っていく経過にしても、良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら少しずつ改善していきます。

◎重要な事

*「あれ?」と思ったら、早めに専門家に相談してください。

*「あれ?」と気が付くには、自分を大切にしてください。

*「ケ・セラ・セラ(Que Sera, Sera)」つまり”なるようになるさ(Whatever will be, will be)”という考え方もいいかも。ただし、人に迷惑にならない程度に。