花粉症

花粉症
◎症状
*スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で生じるアレルギー症状を「花粉症」と呼びます。医学用語では、「季節性アレルギー性鼻炎」といいます。日本人のおよそ4人に1人が花粉症だと言われています(平成26年時点)。
*花粉症の症状が現れやすいのが、鼻と目です。
*鼻の三大症状と言われるのが、くしゃみ、鼻水、鼻づまり。こうした症状は、風邪と間違われやすいのですが、風邪であれば1週間程度で治るのに対し、花粉症は花粉が飛んでいる間は続くこと、さらさらとした水っぽい鼻水が流れることといった違いがあります。
*目の三大症状と言われるのが、目のかゆみ、目の充血、涙です。
*このほか、体がだるい、熱っぽい、イライラする、喉や顔、首がかゆい、集中力が低下するといった全身症状を伴うこともあります。
◎花粉が多く飛散する日
*最高気温が高めの日
*雨の日の翌日で天気がよい日
*風が強く晴天で乾燥した日
◎花粉の飛散開始日
*東京都内では、スギの花粉の飛散は、2月中旬ごろです。その前にも少量の花粉が飛散して、花粉症の症状が出ることがあります。
*4月にはスギの花粉は少なくなりますが、ヒノキの花粉が5月頃まで飛散するので、ヒノキの花粉にアレルギーのある人は5月頃まで症状が続きます。
*5月を過ぎても症状が続く場合、他の植物の花粉やハウスダストが原因とも考えられます。
◎代表的な原因植物
*花粉症と言えば、スギ花粉症がよく知られていますが、このほかにもさまざまな花粉症を引き起こす植物があります。
・スギ(2月~4月):本州、四国、九州の山中に分布する。花粉症の原因植物の代表格。
・ヒノキ(3月~4月):本州の福島以南と四国、九州に分布する。スギ花粉に似たアレルギー物質を持つ。
・イネ科 カモガヤ(5月~6月)
・イネ科 オオアワガエリ(6月~8月)
・イネ科 ススキ(9月~10月)
・ハンノキ(1月~4月):日本全土に分布し、森や湖などの湿地に多い。
・シラカンバ(3月下旬~6月):北海道や本州の中部以北に分布している。スギ花粉症がほとんどない北海道では、シラカンバ花粉症が多い。
・ブタクサ(8月~9月):東北以北は少ないが、日本全域に分布する。秋の花粉症の代表格。
・ヨモギ(9月~10月):日本全域に分布する。
・カナムグラ(8月~10月):日本全域に分布し、特に関東地方に多い。
◎花粉症の診断
*「花粉症かな?」と思ったら、自分で判断する前に、近くの医療機関にかかってください。花粉症を起こしている原因植物も、症状の出方も人によってさまざまです。まずは原因を探り、自分に合った治療方法を見つけることが大切です。
◎花粉症になったら
* 医療機関での治療:花粉症の治療には、症状を抑える「対症療法」と、完全に治すための「根治療法」があります。
・ 対症療法 … 内服薬、点鼻薬、点眼薬を使った薬物療法、レーザー手術
・ 根治療法 … 免疫療法
*セルフケア
・花粉症の市販薬(OTC薬)もあり、内服薬、点鼻薬、点眼薬があります。アレグラやアレルビも薬店で購入できます。
・花粉との接触をできるだけ避け、予防できます。
①花粉飛散情報に注意する。
②花粉が多く飛んでいるシーズンは、外出時にはメガネとマスク、帽子やスカーフを使う。長い髪は束ねることで、花粉が付かないように工夫しましょう。
③上着は、表面がつるつるとした素材のものにする。
④帰宅したら玄関で洋服や髪についた花粉をよく払い落す、洗顔、手洗い、うがいをして、鼻をかむ。
⑤花粉が多く飛んでいる日は窓を開けない。
⑥掃除をこまめに行う。掃除機に加え、ぬれ雑巾等で拭くことも効果的です。
⑦洗濯物はできるだけ屋内に干す。
⑧花粉が多く飛んでいる日は布団を外に干さない。布団乾燥機の使用が望ましい。
◎症状を悪化させない心得
*かぜを引かない:粘膜の上皮が弱くなり、症状がひどくなることがあります。
*お酒を飲みすぎない:鼻づまりを悪化させる可能性があります。
*喫煙も控えめに:タバコも粘膜を傷つけます。
*バランスの良い食生活を心がける。
*寝不足、過労にも注意し、規則正しい生活を送る。
◎花粉症でない人も油断大敵
*現在、花粉症ではない人も、花粉を吸い続けていると、やがて花粉症になる可能性があります。
*予防法は、花粉を体内に取り込まないことです。